地域におけるデータ活用の
普及をめざして
センター長
神山 剛

近年、さまざまな業界・業種において、データに基づいた意思決定や製品・サービスのAI化が求められています。このようなデータ活用を成功させるためには、いかにして「価値のあるデータを利用するか」、「データを扱える人材を確保するか」、この両条件を成立させることが必要不可欠です。しかし、それには非常に大きなコストを要するため、地域におけるデータ活用の普及を困難にしています。
ヒト・モノ・カネが潤沢な都会で働いていた私は、長崎のような地方に来てみて、このような理想と現実のギャップが思っていた以上にあることを痛感しました。この現状に対し、大学として何かできることはないか、と考えるようになりました。
大学というのは、非営利かつ中立的な立場で、教育研究を通して社会に貢献するというミッションを担っていることから、もとより、非常に価値の高いデータが集まること、当然ながらデータ活用人材と教育ノウハウがあるという特徴があります。また、大学は地域の皆様から様々な社会課題・ビジネス課題が寄せられる場であり、データ活用を実践する機会にあふれた場であるとも言えます。
つまりこれは、大学には地域にデータ活用を普及させるために必要な条件が揃っていることを意味します。
しかし、大学における従来の教育研究は、中長期的なゴール・課題を志向したものが多く、日頃地域の皆様が抱える現実的な課題に向き合おうとしたときに、仕事の時間軸が合わないなどの理由から、実社会との接点を作ることが困難です。
そこで、従来の大学における教育研究とは別のやり方で、産学官で地域にデータ活用を推進するべく、長大データバンクを立ち上げました。我々は、長崎大学が保有するデータを活用し、地域の皆様と共に、データによる課題解決とデータ活用人材の育成を行うことをミッションとしています。
ただ、我々が目指しているデータ活用の普及は、最終的な目的ではなく手段に過ぎません。我々が実現したいのは、データの力で、長崎を発祥とした新たな産業を生み出し、この地に賑わいをもたらすことです。データ活用にはその可能性があります。
それには、高度な専門性をもって新たなアイデアを生み出す人材、アイデア創出の元になる価値のある情報や最先端の設備、そして新たな活動を支える投資、様々なリソースを長崎だけでなく全国から呼び込む必要があります。
長大データバンクは、そういった様々なリソースが集まり、交流するハブとなりたい。そして、長崎に新たな賑わいをもたらすキッカケをつくりたい。それが長大データバンクの存在意義でありたいと考えています。
今後の活動に、どうぞご期待ください。
